|  昭和五十九年、
 ある田舎の県道で起こったバスの横転事故。
 土砂降りの雨の中、乗客たちがたどり着いたのは
 桐の林に囲まれて立つ古めかしい洋館だった…。
 
 桐の木にまつわるたわいも無い昔話が、
 20年前の事件と乗客たちの過去を複雑に絡み合わせていく。
 そしてそれは黒いジンクスに覆われた新たな惨劇の始まりだった―
 
 
  身寄りのない資産家の老人が死んだという。
 噂を聞き、金目の物を盗み出そうと屋敷に忍び込んだ恭平と久美。
 しかし、そこで二人が出会うのは死んだはずの老人だった。
 その場しのぎの男と、そんな男に惚れた女、
 そして、人生の黄昏に悔いだけを残した老人。
 
 手札が変われば運だって変わるはず、
 最後のシャフルにすべてを賭けて、
 三人の奇妙な共同生活(ゲーム)が始まった。
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