劇団6番シード結成15周年記念 総力 公演 『賊』

公演報告 

キャストコメント 舞台写真

 




松本陽一・・・脚本・演出、柴利(しばり)
結成15周年とかキャスト40名とか言う前に、実は私、日本の時代劇を書くのが初めてでした。
これは楽しかったですね。書き出すまでは言葉使いだの、歴史検証だので自分の学のなさに辟易もしましたが、書き始めるとその日本語の持つ音の響きというか韻をふむ快感とかが何とも心地よいものでした。男子が柄物(えもの:刀)を持って殺陣の練習をやると嬉々としてテンションがあがるのと似てるのかなあ、DNAが騒ぐんでしょうか。
日本の中世の内海を舞台に、架空の史実で自由に作ろうと思ったのがこの「賊」でした。裏設定としては室町時代の瀬戸内海、応仁の乱が起こった一年後という背景にイチオウしておりました。この応仁の乱というのが調べてみると面白く、日本史史上もっとも地味でつまらない戦だったらしく、それゆえか歴史家も小説家も敬遠し、かなりマイナーな扱いをうけていると実際に歴史の本に書かれておりました。いいねえ、このマイナー感。
当時は武士や百姓の身分差が希薄になった「民衆蜂起」の時代だったとも言われていたようです。そんな中、終わりの見えない戦が都で始まったというのが史実。
そんなことを調べるうちに、なんとなしに室町時代にして何となしに武士でも百姓でもない日本の海賊を主人公にしたこの物語は、なんだか自分のやりたいことにぴったりじゃないかと思えてきました。この芝居はいわば「祭」。名も無き人々のエネルギーを思いっきりだせたらなあと思っていたので、この史実のシンクロは私にとって幸運でした。
そんな裏設定をふまえつつ、衣装も髪型もメイクも言葉使いも、自由奔放なスタイルでこの「賊」は作られていきました。観劇後のアンケートに劇団新感線に似てると書かれていて、ああそっち方面の芝居だったのか、と言われてから思ったりして。6番シードが新感線に似てるってまさか言われるとは。

という訳で15周年記念は劇団の総決算というよりは、新しいものにチャレンジしたというほうが私にとっては強いです。この作品を終えて、まだまだ時代劇やりたいねえなんてメンバーと話したり、20周年は東と西と南と北のスピンオフを入れて本編と合わせた5本立てでやろうかなんてさらにおバカな構想が生まれたり、16年目からもっともっとオモロイことやりたいねえ、という思いに繋がったかなと思います。ちなみに次回時代劇のタイトルは「関が原でダンス☆」です。関が原シチュエーションコメディです。

この演目で15周年記念公演を打てたことを幸運に思います。
この公演に関わってくれたすべての方へ、ご来場頂きましたすべてお客様、ありがとうございました。

16年目からも「馬鹿ばっか」で頑張ります。


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