座談会


 公演が終わった日曜日の夜。とある居酒屋に「3人の男」が集まった・・・。
 どこかで見たような濃い顔を並べて、男たちは語り始めた。
 女達においしいところをもっていかれた、富沢、片岡、松本の3人が語る「傷心館の幽霊」の裏話の数々、完全収録!

松本(以下、)「しかし今回は、いつにも増して台本の上がりが遅かったよね」
富沢(以下、)「遅かった、過去最遅じゃないかな」
片岡(以下、)「ていうか、いつも更新してるでしょ、その記録。脚本家もトシかな」
「このままいけば、今後どうなるのか、新作は不安だね」
「しかも、台本が完成した時の豹変ぶり!急に厳しくなっちゃって」
「そうそう」
「見てて見苦しいね、あの偉そうな態度」
「最初に聞いた話とずいぶん変わってるし」
「宣伝部も苦労してた、ネットに流した予告と内容が違うって」
 (しばらく、作・演出の久間氏の悪口が続く・・・。)

 富沢謙二/旗揚げ公演「94、桐の林で・・・」
でデビュー。

 今回は御曹司、一乃蔵洋介役
「けど今回は俺達3人は最初からキャストが決
  まってた感じがするなあ」
「俺なんか台本に『濃い顔』って書かれてたし」
「俺は『ひろーいおでこ』」
「でも一番ウケてたじゃん」
「誤解の無いように言っておくけど、我が家は
  代々、おでこの広い家系なんだ。決してハゲ
  る家系では無い!」
「はいはい」
「でも、俺のキャラクターを見て書いてくれたんだ
  ったらありがたいけど、濃い顔だからっていう
  のは・・・」
「台本の中に『あまりぱっとしない係長』って書い
  てあって、6Cの中にぱっとしない奴なんかいる
  か?って思ってたら・・・」
「ここにいた」
「俺? それは誉め言葉なのかな」
富、片「誉め言葉だよ」
「萩巣(絹子役)にも『トムさんは、ホントにぱっとしないですね』って言われて、なんじゃ
  そりゃ、俺はぱっとしない役者かい!って」
 片岡貴之/同じく「94、桐の林で・・・」でデビュー。
 チンピラの掛井浩役。
「でも今回の話は6Cの中では、ちょっと特
  別と言っていいかもしれないね」
「女達が主人公というのは、今まであまりな
  かったな」
「だから、女性陣は気合入ってたね。てゆ
  うかいい気になってた」
「それが失敗だったな」
「失敗じゃない、失敗じゃ」
「ま、俺に言わせればまだまだ、ケツが青
  いっていうか」
「これで天狗にならないでほしいね」
「でもアンケートは、圧倒的に女性陣に軍
  配だった」
「やっと俺のこと書いてあると思ったら、『そのおでこは作り物ですか?』ってどうやって
  作るんだよ!」
「アンケート人気ナンバーワン、今回一番おいしい思いをしたのは、兄貴(丸山、リリー
  役)だったな」
「あのキャスティングも最初から決まってたのかな」
「決まってたと思うよ。兄貴、何か裏から手を回したふしがあるね」
「脚本家と癒着」
「前から兄貴、オカマ役をやってみたいって言ってたじゃん。それがすぐ来るっていうの
  が、不自然すぎる」
「俺のハワイ旅行以上のものを送ったのかな」
「ハワイ旅行?」
「うん、『紅い華のデジャヴ』の時。どうしても天豹演りたかったから(笑)」
「でも、鶴さん(片岡)も、結局オカマの扮装をしたんだよね」
「大変だったよ、婦人服売り場をうろついて・・・」
「でも、まんざらでもなかったんでしょ」
 松本陽一/再演「97、桐の林で・・・」
でデビュー。
 万年係長寺田秀彦役。
「結構、気持ちよかった」
「兄貴も気持ちよさそうにしてたなー」
「うらやましいんかい。兄貴、今回は男どもより
  も女の子達に感謝する、とか言ってんだぜ」
「分かってないね。この公演を誰が陰で支えてた
  か」
「何か俺たち損な役回りだなあ、今回」
「悔しいのは、俺たちが一生懸命汗かいて芝居し
  てるのに、徳さんなんか『マスター』って一言言う
  だけで、どっと笑いがくるんだよ」
「俺らのリアクションあっての笑いだろ」
「山田(徳さん役)はね、ツブす。若い芽は早いうち
  に摘んどかないと」
「次回は、劇場の前でプラカード持ちだな」
「いいねそれ」
 (しばらく新人の山田の悪口が続く)

「でも、今回お客さん、入ったねえ」
「ほとんどの回、満員御礼」
「チラシが効いたのかな。あのミステリアスな感じ
  が」
「コメディじゃなくて、サスペンスだと思ってた人も
  いたみたいだよ」
「傷心館の幽霊の正体は・・・、とかあおってたし」
「幽霊の正体は、俺達の存在感でしたってオチ
  か?」
「でもまあ評判も上々だし、再演もあるかも」
「気が早いけど、再演するとしたらどの役がいいか
  な」
「俺は絶対リリーとかは演んないね」
「何で?」
「兄貴には勝てないよ」
「さっそく負けを認めるなよ」
「いや、どうしてもチャレンジしたい役があるんだ」
「おっ、それは誰?」
「徳さん」
「やっぱり、うらやましいんかい(一同笑)」

 劇中で女達に痛い目に遭わされた、情けない男達。舞台を離れたところでも情けない男達は、舞台を離れても痛い目に遭わされていたようです。
 次回リベンジなるか!

編集注:冒頭に完全収録とありますが、あまりの暴言の数々を、彼らの役者生命も考慮してカットしました。ご了承ください。