「ブルーテント クリスマス」インタビュー
前作「露の見た夢」では総勢40名、壮大なスケールの舞台をみせた。
今回の作品はがらりと雰囲気を変え、ハートウォーミングミラクルストーリー。
ほぼフルキャストで挑む「ブルーテントクリスマス」。
一体どんな作品になるのか、作・演出 久間勝彦にインタビューしました!

 

■クリスマスを題材にした芝居は今回が初めてですが・・・。

基本的にクリスマスストーリーも初めてだし、もしかしたら女の子にフォーカスしたのも初めてかもしれないね。時代的に今、男性の方が全然元気が無いから。で、夢を語るのも女性の方が夢を語りやすい時代かなって・・・。
芝居って、基本は夢でしょ。その夢を語るときに女性のパワーとか女性の持ってる夢とかね、そんなところがストーリーをぐいぐい引っ張ってくれるととても面白いものになるんじゃないかな。
クリスマスって男性も女性もないんだけど、でもやっぱり女性の方が似合うかなっていうのは一つあってね。


■では、ストーリーは・・・?


最初は、ロマンチックにもっていこうかなって。別に男女の出会いとかそういう話にしたかった訳ではなく、クリスマスっぽさだけを前面に押し出す位の気持ちでいたんだけど、段々なんかそれじゃつまんないなーっていうかね、で、色々考えた時に、やっぱりクリスマスって人との触れあいだから、出会いというか、まぁ特に欧米ではね。日本では違うけど。
向こうでは家族とか隣人との触れあいっていうのが一番大事な、そういうなシーズンなんでね。じゃ、出会いそうも無い人達を出会わせたらどうなるだろうっていうようなところで浮かんだのが、ホステスとホームレス。
普段だったら絶対出会わないし、価値観が全く違うんじゃないかなーと。
5千円で仕入れたお酒を10万円で売り、毎晩華やかに飲み歌うような場所で生きている人達、すごく綺麗に着飾っていく事が仕事の一部でそれで生きている っていう人達。かたや、着飾ることを放棄して2個で1円の空き缶を拾うとかね、そういう事に思いを馳せている人達。
自然の流れの中では多分出会うことが無いような人達が出会って話をしなきゃならない。そういう環境におかれたらどんなことがあるんだろうなぁーって。
そしたら、色々お互いに普段見せない部分とか見えてくるところがあったりするかもしれない。自分達の価値観、生きている世界の中だけに人間って閉じこもりがちなんだけどね、でも全く違う価値観の中に生きている人達もいるんだなって。
まぁ、特にホステスの祥子と直美もそういう自分達が生きていて、これが全てじゃないことに気が付いたりしたら面白いなーって思ってね。でも、やっぱりクリスマスなので終わりにはほっとした気持ちで帰っていただけたらと、そんな思いで書いています。


■今回、附田泉、あづさ、宇田川美樹がメインキャストということですが、この3人が揃っての稽古はどんな感じですか?!


安心してみてますよ。この3人を見て欲しいって所はありますね。今回に関しては、この3人の絡みっていうのが一番面白いところかなっていう部分はありますね。ストーリーそのものの面白さと役者としての女三人衆のそれぞれの見せ場というか、その丁々発止のやりとりが楽しめるっていうのがあると思いますよ。
それは、こういう風に演出して行こうって思うんじゃなくて、こういうシーンを提供したら、それを3人がどれくらい大きく膨らませてくれるかなっていう期待ですね。
6番シードの中でね、なんていうのかなぁー。旬な3人かな。パワフルな芝居をやるにはやっぱりこの3人かなって。


■ブルーテントクリスマス」ずばり一言で言うと。


この物語をこのシーズンに観てよかったって思って貰えるようなストーリーにしたいね。今年のクリスマスはこれ観たから、すごくよかったって言って貰える、そんなストーリー。

 

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