久間勝彦 Katsuhiko Hisama
1956年長崎生まれ
劇団6番シード主宰。
旗揚げ公演から一貫して、劇的な作風の中に人の心の機微を描くことを身上とする。2004年「ラストシャフル」で、池袋演劇祭アゼリア会賞受賞。同作で、演劇雑誌テアトロの04年11月号で野田秀樹らと並びベスト3に選ばれる。

"良質な舞台をわかりやすく多くの人に"をコンセプトにコメディー、ミステリー、ラブストーリーからサスペンスまでジャンルにとらわれることなく、またエンターティメントに徹した舞台を創り上げている。
2002年には、MINI THEATER BARRIERFREE(ミニシアターバリアフリー)と称し、デザイナー佐瀬勉氏の協力のもとロゴマークを作成し、障害者でも全ての人が演劇を楽しめるよう積極的に活動する。

流行りすたりで変わるべきじゃない大切なものを、誰にでも分かるシンプルなメッセージにして贈りつづけたい、と久間は語る。

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劇団6番シード プロフィール
1992年旗揚げ。
劇団主宰・久間勝彦と看板俳優である松本陽一が作・演出を担当。徹底したオリジナル台本へのこだわりと、細やかな人間表現に重きを置く演劇集団。「芝居が終わったらお客様の心の中でドラマが始まる」が劇団コンセプト。

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【おもな作品】 ( )発表年

「ブルーテントクリスマス」(2005年)
落ちこぼれホステスの祥子と直美。そんな二人が、自分たちの店を持つことになった。駅近、格安、オシャレな外観、あり得ないような好条件満載の物件には、とんでもないオマケが付いていた。

今も聖夜の奇跡を信じる優しい貴方と、クリスマスの本当の意味なんか久しく考えてもいない忙しい貴方に贈る、ハートウォーミング、クリスマスミラクル・ストーリー。

 

「ラストシャフル」(2004年)
誰だって、一生に一度くらい宝石のように煌めく素敵な決心をする事がある。
借金から逃げ回る男と、そんな男に騙された女、手札が変われば運だって変わるはず、最後のシャフルにすべてを賭けて、勘違い、すれ違い、思いこみの果てに、二人はいつしか不器用な天使になった。
池袋演劇祭アゼリア会賞受賞

 

「Fun Traps」 (2002年)
法の抜け道に巣くう悪党たちを手玉に取る若き女弁護士、涼子。
悪い奴らは許さない。彼女の美学が許さない。
詐欺師、泥棒、スリルジャンキー入り乱れての騙し合い。 
最後に勝つのは正義か悪か?

 

「百年の夜が明ける朝」 (2001年)
「総理大臣が誘拐された」
臨時ニュースに日本中が揺れるなか、リゾート地のとある別荘で一風変わったパ ーティーが開かれようとしていた。パーティーの主催者は、大企業の御曹司。様 々な思惑を抱いた参加者たちが別荘の一室に集まった頃、最後の参加者がその部 屋の扉を押した。

「首相は、二人の不審者によって連れ去られた模様・・・」
二つの影に連れられてその部屋を訪れたパーティー最後の参加者は、誘拐された はずの・・・総理大臣だった。

 

「露の見た夢」 (2000年)
「盗人と英雄。刑場にさらされた二つの命…」
焼けた砂が風に舞い、都アスカリナの刑場に二本の杭が立った。英雄の骸を牛馬の糞尿に浸し、盗人の見た夢だけを残すために。
遥かいにしえの砂漠都市を舞台に繰り広げられる一大叙事詩。時代を駆け抜けた男達の数奇な運命とは・・・。

 

「傷心館の幽霊」 (2000年)
何かに導かれるように傷心館に集まった自殺願望の女3人。
やがて開かれるパーティー。
ゲストに呼ばれた男達は、
さえない中年サラリーマン、
ホスト風の遊び人、
それに良家の御曹司。

調子はずれのメロディーに乗せて、
ちょっぴり間抜けな復讐劇が始まった。
女の執念、幽霊の怨念、オカマの情念、果たして1番怖いのは・・・?

 

「ON THE WAY HOME」 (1999年)
時は昭和22年、南太平洋の平和な小島スタボラに、いまだ終戦を知らずに暮らす日本人達がいた。ある日彼らの元に母国日本の敗戦を伝える知らせが届く。しかも終戦は2年前のことという。
驚いた彼らは老朽化した貨物船を修理し、日本を目指して船出する。
 流れ者の山師、封建制の日本を逃れていた女達そして現地人の日本人化をすすめていた教師、誰もが1日も早く祖国の土を踏みたいと願う中、一人船長の桜木だけは違っていた。

 

「MUKAIYAMAザ・トラブル増すターズ」(1998年)
 『純粋』『馬鹿正直』『お人好し』どれをとってもバカにされるような世の中 で、惜しげもなくそれを出し続けて生きている男、『椎名肇』。彼が就職したの は、探偵事務所「オフィス向山」。一癖も二癖もある所長 向山良兼とオフィスの 面々。そこに舞い込んできた依頼は崩壊寸前の家庭からのとんでもない計画だっ た。

 

「紅い華の、デ・ジャ・ヴュー」(1996年)
沖縄より台湾に近い小さな島の浜辺に、男は降り立った。透き通った海、静かな波音。都会での喧騒に疲れたその男は、ここで人生に幕を下ろそうとしていた。ふと、咲き乱れたハイビスカスが男の目に写る。ハイビスカス・・紅い花・・・
「ずっと昔、同じような景色を見たような気がする。何だかずいぶん、遠い昔に・・・」
竜神を神と崇めていた時代の小さな漁村。そこに村人から嫌われ、悪事の限りをつくす天豹という男が浜辺で暮らしていた・・・。

 

「星より昂く」(1995年)
売れないコメディアンの男、龍治にかつて助けてもらった事のある女の子、真理。彼のことが好きになり、スターにさせてあげたい一心から彼の相方になるべく男装して芸能プロダクションへのりこむ。ひょんな事から付き人へと転向し、その器量の良さで龍治をスターへと成長させていく。相棒として信頼される真理。しかし女として龍治を一途に思い続ける真理の恋の行方は…?
 一癖も二癖もある芸能プロダクションの面々も加えて繰り広げられるラブコメディー!

 

「桐の林で、二十日鼠を殺すには」(1994年)
桐の林に囲まれて建つ古い洋館。そこに嵐の夜、崖崩れで横転したバスの乗客たちが避難してきた。館の主人は彼らを招き入れ、その家にまつわる古い習わしを話して聞かせた。たわいない昔話に隠された黒いジンクスが、九死に一生を得たはずの乗客たちに牙をむく。