「タジム」 松本陽一演じる「露の見た夢」の主人公。 ソマテの盗人。現在は祖国ソマテを追われ、隣国マサロの都アスカリナで活動中。今回はタジムと同郷であり付き合いが長いという、盗人仲間カナ役のあづさ、シャッポ役の木全園呼が「タジム」の紹介します。「露の見た夢」の予習にお役立てください。 　 シャッポ役 木全園呼 タジムはとてもスマートな人だと思うんです。生きる為の修羅場をいくつもくぐりぬけているので、いろいろと物事を知っていそうだし。でもいい歳なのに色恋事にはあまり関心がなさそう。 もし現実に私がシャッポだったら、貧しいけど、きっととっても楽しいだろうなと思います。毎日がハラハラドキドキの連続！あっっ、でもチキンハートの私にはちょっとキツイかも（笑）。 カナ役 あづさ 無鉄砲で無計画なようにも見えるけれど、でも多分、いつも頭の中でいろんな事を計算してるんだろうなあって思います。 人がいいというかお調子者というか、根っから明るくて優しいひとです。 タジムは、生きることにとっても貪欲なんだと思う。欲しいものは何が何でも手に入れるし、やりたいことはどんなことだってチャレンジするし、もしかしたらまだ幼いシャッポよりももっともっと子供なんじゃないかと思いますね。 シャッポ役 木全園呼 トムさんといえば、４０代のおじ様役のイメージだったのですが、最近は若く見えるようになってきてるのですよ。役者ってスゲェーって驚かされています。ってトムさんのことじゃなかった。 普段はぐだぐだなのに、いざというときに頼りになりそう。タジムみたいなお兄ちゃんがいたらいーなーと思っています。 カナ役 あづさ 毎日３人で過ごして、楽しいこともつらいことも常に一緒に分かち合った、兄弟のような関係なんだと思いますよ。それぞれに得意なことがあって、苦手なこともあって、知恵を絞り、お互いをフォローしながら、必死で毎日を生きている感じ。 でも、ただ必死なだけではなくて、例えば、静かに星を眺めたり、たまに美味しい物をいっぱい食べて思いっきり眠ったり、そういう些細な事や小さな時間も大事にしていたりして。 シャッポ役 木全園呼 トムさん演じるタジムとあづささん演じるカナと、一緒にシャッポを演じているとき、本当に最高に楽しいです。ソマテの３人は本当の仲間で、かたい絆で結ばれているんだと思います。 　 タジム役　松本陽一 　このタジムという盗人の役は、五年前の初演時は富沢謙二が演じました。私は共演しながらその姿を横目で見て、泣いたり笑ったり叫んだり、俺にはひっくり返っても出来ねえな、と思ったものです。月日が流れて昨年末、久しぶりにこの台本を読んだ時、何かに突き動かされるように「もう一度この作品に出たい」と思ったのです。夏公演の準備に専念しろと言っていた久間さんに直談判して、出演させてもらうことになりました。キャスティング期間中も「二重あごのタジムはねえよ」と周りから揶揄され（注：私はそんなにデブではありませんが、顔がぽてっとしていてあごもあまりないので、下を向くと二重あごになるのです）、私自身もこの役はないかなと思いながら、でも今なら出来るかもという予感に支えられ、久しぶりに喉を枯らしてタジムの台詞を読んでいました。 　この台本を久しぶりに開いた時の、あの衝動は何だったのでしょう。まあ役者なんてのはそういうもっともらしいセンチメンタルを作りあげるものですが、その時は、タジムを演じるなんて頭の隅にもなかったのです。 　あの時の衝動がどんな形になるのか、今から楽しみです。今はひたすら、休みのない稽古と、こんにゃくダイエットの日々です。 「露の見た夢」用語解説 カナ ： あづさ演じるタジムの仲間。娘 シャッポ ： 木全園呼演じるタジムの仲間。少年 マサロ ： 「露の見た夢」の舞台となる砂漠の居住区。サラガヤに統治されている。 ソマテ ： マサロの東に位置する居住区。タジムたちの故郷。サラガヤに統治されている。 サラガヤ ： 勢力を拡大している強国。もともとサラガヤは右の地図の上部のみであったのだが、侵略を繰り返し領地を広げ、マサロ地区やソマテ地区もサラガヤの支配下に置いた。それによりマサロ人やソマテ人はサラガヤ人から非人として虐げられている。 更に詳しく知りたいあなたに　初演「露の見た夢　解説書」

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