3月1日(土)・3月2日(日)


演出もガチンコ。
 さて、いよいよ稽古も本格的になってきました。「演出家的稽古場だより」というフレコミのくせに、一向に稽古場のことを書かずに迎えた第3回。今回はバリバリ書きますよ。
 当HPでは、普段役者が日替わりで「稽古場だより」なるものを書いている。そこには役者の個性や性格も当然表れる。如実にウケを狙うもの、めんどくさがって5行くらいで終わらせるもの、あまり稽古場をリポートしてないもの、等々。でもタイガイは楽しい情報であったり、厳しい稽古内容であってもオブラードに包んだ表現であったりする。ま、当然ですが。
 では実際の稽古風景はどうなっているか、そこで今日はホントにありのままを稽古風景をガチンコで書き連ねてみたいと思います。3月1日(土)です。誰が当番なのか知らないのですが、役者が書いた稽古場便りと比較して楽しんでみてください。

 本日より稽古再開。早速、富沢、春日の胸板ガチガチコンビと早出の発声稽古。1時間以上かけて、「ん」の音で体の反響を確認する。で、終わる。前途多難である。午前中、早速前半を通してみる。案の定ボロボロ。大道具週間のブランクが響きまくり。んー、やっぱり芝居は生ものだと感心してる場合じゃない。喝一発。稽古場の空気、引き締まる。プロンプ(台詞が抜けたら教える、カンペ係みたいなもの)を入れながら抜き稽古が進む。何回抜いても同じところでトチる役者が若干2名。しかもコンビ役。誰か替わりに喝を入れて。前半は超ハイスピードな為、体力の消耗が激しいようだ。そんなことおかまい無しに抜き、抜き、抜き。休憩を入れるとベテラン組はリビングで一息入れるのだが、若手はそんな時間もずっと台詞を反芻している。ヘビースモーカーの私には真似の出来ない芸当。たくましく育てよ。
 ここで昼食。昼食のリポートは稽古場便りを見てるとかなりの頻度で書かれてるので割愛。きっと今日も書かれてるでしょう。

堂々巡り代表

妹尾伸一
 さて午後。午後イチはたいていまったりするのだが、さすがに午前中の喝が効いたのか、いいスタートが切れた。前半からこつこつと返しながら先に進めているので、出番の遅い役者の待ち時間は長い。待ちも役者の仕事というが、自分自身役者をやった時にあまりの待ちの長さに居眠り、というか堂々眠りをしたことがあるのでその辛さはよく分かります。でも、待ってね。
 うまくいかない場所があると稽古はそこを集中となる。でもタイガイ時間をかけても直らない。特にこの時期は。果てしない堂々巡りになったりする。妹尾など。
 まだキャストの決まっていなかった救急隊員のシーンを何度か返す。こういう役は思い切り遊べばいいのだが、なかなかそんな度胸のある芝居をする奴は少ない。ストーリーの本筋を見失って遊ぶ奴はいる。それはダメです。
 台本の新着部分、初見。実はとても自信のあるシークエンスだったのでめちゃくちゃ期待していたが、案の定、富沢君がスベった。期待が大きいと落胆も大きい。おそらく、かなりイライラした口調になってしまっていたのではないでしょうか。
 稽古の時間配分はいつも考えているけれど、結局、台本の前半に時間をかけ過ぎてしまい、後半が少ない時間になってしまう。まだまだ前途多難のうちに早々と終了。

 

早く飲みたいらしい・・・・
ミーティングへと移る。ミーティングでは加藤祐子の独壇場となっていた。それを見ているあづさが「喋りすぎだよ、嫁」という顔をしていた。
 最近流行し始めた稽古終了後の個人ダメ出しくれタイム。あー終わった、飲みに行こうと思う矢先に拿捕される。行列が出来ることもある。熱意があって大変良いが、早く飲みにも行きたいなどとも思う私。みんなごめん。


 書いてみると割りと普通になってしまった。もっと毒舌全開になるかと思ったが、やはりそれはそれ。私もオブラードに包んでしまった感じです。今度、ガチンコで役者が演出家リポートをするっていうのはどうでしょう。「こんなに厳しいこと言っておきながら、あくびをしてた」とか、「このシーンは自信なさそうに演出してる」とか。匿名でいいので。そっちのほうが企画としては面白いかも。



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