思い出の
第11回公演「MUKAIYAMA ザ・トラブルマスターズ」
築地 ブディストホール

この作品には録音した声を使うシーンがあった。その声取りの日。
まぁ、すぐに終わるだろうとふんでいた役者達であったが、実は大きな落とし穴が待っていたのだ。
それは…外を走るたちである…
いい感じで録音できたと思い確認するために再生すると、そこには“ブーン”という車の通過音がバッチリ録音されていた。
長めのシーンのため、何度やってもどこかに車の音が入ってしまう。雨戸を閉めても、カーテンを閉めても、稽古場の建物中の窓を閉めてもやっぱり“ブーン”…
こうなったら…ということで考えたのは…机にありったけの布団を被せ、その中に役者がもぐりこんでの録音だった。
真夏、しかも締め切った部屋の中で録音に邪魔になるクーラーも切り、そして布団を被せた机の下に入っての真剣な演技…グロッキー寸前の役者に久間氏は申し訳なさそうに「6Cの人気が出たらこんな苦労しなくて済むようにしてやるからな」と。「…いつですか?」の問いには「お前達次第(笑)」と…。
やっぱりね…


6C初のダブルキャスト配役が3役あった。
稽古は、両方の役者が順番に稽古していくのだが…
久間氏は“夢中になると周りが見えなくなるタイプ”の典型。片方の役者にOKを出すと、もう自分の中で「このシーンはOK」と思ってしまい「次!○○のシーン!!」とどんどん進もうとする。
慌てて「私まだです!!」と手を挙げると「なんだ。言わなきゃダメじゃないか」と。
…じゃぁ、言う隙を作っといてください…