vo9.「初日に千秋楽の話」

隠れ宿の一部をご紹介
 いやあ始まりました、「隠れ宿」。長い長い一ヶ月公演の幕開けです。通常であれば「公演を振り返って」というタイトルがつきそうなこのコラムも、「ほんの序盤の途中経過」です。公演を振り返るコラムを書くのは4週間後。いやあ長い。とはいえ舞台というのはその1ステージ1ステージが勝負。スタミナを計算している余裕など私を含めうちのメンバーにはありません。初日の朝、開場準備に追われるスタッフの声が響く中、開場10分前まで最後のあがきの抜き稽古。今回役者陣には「長丁場だから、本番が始まったら君達が芝居を作るんだ。ダメだしとか稽古とかしないよ」と確か言いました、私。結局、本番前の楽屋に行ってダメだし。今回のタイトル通り、最後の1秒まで諦めません。そんな粘りが功を奏したのかしないのか、初日はご好評のうちに終了。今回、終演後にイベントがある為、昼公演と夜公演の間の休みはごくわずか。ちなみに私は15分くらい取れましたが、スタッフの中には0秒という人もいたみたい。これが一ヶ月も続くのか…と思いつつ、終演後のお客様とのトークで再び元気を取り戻すメンバー一同。普段舞台の上でしかご挨拶できない皆様とお話させてもらうと、リポD10本分のエネルギーが注入されるのです。これ本当の話。そんな歓談の中で、あるお客様に質問されました。
「本番中にお芝居って変わっていくものなんですか?」
変わりますね。先週書いたような意味でよくも悪くも変わりますし、今回は一ヶ月公演。初日を終えた二日後の火曜日、早速、第二話の附田泉、宇田川美樹と新たなチャレンジを試行錯誤する稽古を行いました。その中で突拍子もないへんてこな演出を提案した私に附田が、「本番でやった流れと変わりすぎて繋がらない」と、悲鳴が。
ええい、やっちゃえ。
変わっていく芝居にこうご期待!
ええい、やっちゃえ。先週と今週が違う芝居でもいいじゃないか。誤解のないようにいいますが、先週の芝居が駄目だった訳じゃなく、これから無茶をしようとしている訳でもないんです。4週間あるのなら、先週の表題通り「芝居が生きている」感じでいいじゃないか、と楽しくなってきたのです。ですから、初日と千秋楽ではおそらく、ずいぶんと表情の違う芝居になるんじゃないかな、と今から想像するのです。
こんな魅力的な千秋楽、初日をご覧になった方もリピートしてみてはいかがですか。ぶっちゃけネット告知のみの千秋楽17日は、チケットもダブついてます。
ダブついてます!

来週は、Bキャスト初日の模様を。 
2005/9/1