vo7.「仕込み

前回公演「露の見た夢」の
仕込み風景。デカイ!

 普段の公演ですとこんな手順です。
「稽古」→「本番前日に大道具などをトラックに積み込み」→「本番前日か、前々日に劇場入り(小屋入りといいます)」→「舞台設営などのいわゆる仕込み」→「本番」

 今回はアトリエ公演ということで、この「仕込み」という作業を先週に済ませてしまいました。つまり本番二週間前にしてもう舞台は出来上がり、照明も吊ってある状態ということです。通常、この「仕込み」という作業は過酷を極めます。一日かそこらで舞台を設営し、照明を吊り、音響、照明を入れた舞台稽古を猛スピードでこなし、ふらふらの状態で本番初日を迎えるのが常です。ですからこの「仕込み日」というのは、皆がリポDを飲み、怒号が入り混じる中で行われます。

 

大変お世話になっております
 そういう意味でもアトリエ公演はいいですね。実は劇場に入ると、そんなハードスケジュールの中でリハをこなすので、劇場でゆっくり芝居の稽古を、なんて時間はほとんど取れないのです。舞台監督から「演出や駄目出しは楽屋でお願いします」なんてことを言われることもあります。逆を言えば、そんな短い時間で、照明さんや音響さんはセッティングをし、調整をし、リハをやっていくのです。今回は、早い段階でセットを組み、その中での稽古をしてみようという目論見がありました。ある意味贅沢な稽古です。
 そんな感じで早々とセットを組み上げ、私を含め役者も「明日本番?」と錯覚に陥ってしまいました。残り一週間、ジタバタしても始まらないと感じつつ、「最後の1フィート」の最後の仕上げに取り掛かろうと思ってます。
セットが出来上がった時、ふと「この作品を大きな劇場でやったらどうなるんだろう」と考えてしまいました。でもこの「最後の1フィート」という作品は、この客席わずか40席の劇場の為に書き下ろした作品です。大きな劇場でやるイメージはどんなにしたって沸きません。この小さな空間の小さな物語、この夏にしか観れない物語を是非アトリエで味わってみてください。
来週は本番直前!結局、普段の「仕込み日」のような忙しさになるんでしょうが、何とか更新はする(予定)です。本番直前の役者の表情などを。
2005/8/18