「ブルーテント クリスマス」キャスト対談 Vo.2

■「ブルーテント クリスマス」どんな作品ですか?

荒木暢彦(谷口仁役)

戸田早奈美(田端みどり役)

原裕香(藤崎志保役)

荒木:ホステス対ホームレス

戸田:VSにしちゃうんだ

:複雑な世間。

太田:心温まる物語。

椎名:交差点。色んな人たちがであうということで。

全員:うまい。

矢口:色んな人たちが色んな人に出会う。

戸田:クリスマスっていうとしっとり系だけを思ってしまうけど、ちょっとコミカルな部分もあるよね。でもちゃんと見せるところはみせますみたいなねって感じだよね。

矢口:最初のイメージはもっとしんみりした感じかと思ってたけど、え、こんなに笑い要素満載なの!みたいな。

:そうそう結構コメディータッチで、いいの?って。

太田:意外だったよね。

荒木:僕はタイトル好きですね。裏話を言うと、最初のミーティーングで久間さんに「荒木、タイトル変えたいんだけど、“ラビアンローズのクリスマス”っていうのはどうかな」って言われて、ちょっと返事に迷いましたね(笑)。

太田真由美(加藤信子役)

椎名亜音(今野寛子役)

矢口愛奈(岡村愛満役)

椎名:多分、その後にハッピーブルークリスマスになったんだよね。

戸田:でも、あたしもこのタイトル好きですね。ゴロがいい。

太田:そうそう。でもはじめブルーテントって分からなかった。

椎名:響きだけ聴くとすごいおしゃれじゃない。でもよく考えてみると、ブルーテントって、あのホームレスのテントでしょ?それとクリスマス?っていうのはあるよね。

戸田:そのギャップがおもしろいよね。で、しんみり系でくるのかなって思ったら、

:すごいのがポポポポポンって、

戸田:スピードでくるよね!

椎名:でもさ、「露の見た夢」しか久間作品を知らない人はさ、結構カルチャーショックなんじゃない。

:びっくりです。久間作品は「露の見た夢」が初だったので、今回もしっとり系なのかなって思ったら、コロコロコローってすごい展開で。

 

太田:全然作風が違うんで、前はエキストラだったから、演出とかそんなになくて、でも今回は自分がちゃんと演出受けて、うれしいし、楽しいし、分かりやすいからやりやすいです。話自体も分かりやすいし。

矢口:私は「ラストシャフル」は観てたから、劇団的にあんな感じの作品のだと思ってたの。そしたら「露の見た夢」でわーって思って、今回はしんみり系でくるのかなって思ったらまた、わーって予想をひっくり返された!みたいな感じで
す。演出もすごい解りやすく説明してくれるので、理解がしやすいです。

椎名:私は久間作品は3本目なんだけど、過去2作品は再演で、新作に参加で一から作っていくのは初めてなのよ。毎週台本がすすんでいくのが楽しみで、もう一読者みたいになりますね。毎週毎週、こーっくるかって感じでいい感じに裏切ってくれて、演出も余計な味付けがないっていうか、すごいシンプルでストレートなんだけど、そのシンプルを最大にお客さんのところにずどんって届けるやり方をしてるなって思って、いい意味で期待通りにしてくれる。ここにきて欲しいなってところに“ど”ストライクで投げてくれるっていうか。

通し稽古にて

矢口:待ってたものがちゃんとくるみたいな。

戸田:ああ、やっぱりなって思わないような形でなげてくれるよね。

椎名:そうそう、ここにこうきてほしいなってところに、

戸田:きたーて、

椎名:躊躇無くやってくるのが、私はスキですね。

荒木:基本的にぼくは、久間さん作品とトムさん作品(松本陽一)ではもらう役が違うんですよね。
トムさんのでは悪人役、久間作品ではいい人、モキなんかもそうですね。
ラストシャフルはちょっとコミカルな役だったし。
あと、トムさん作品では和さんと絡むんですけど、久間さん作品では全く絡まないんですよね。今回も今のところないし。不思議なことに。

戸田:でも、私久間さんは良く見てるなって思うんですよねえ。こんなに18人キャストがいるのに、色々な個性をだしてくれたりとか見せ場をちょっとずつ作ったり、この人だったらこういう演出をすれば生きるんじゃないかっていう演出をつけたりとか、よく見てるなーって思って。

:私も久間さん作品は初なんですけど、新人なのに違和感無く溶け込ませてくれるなって。

戸田:演じてて、ここが違うのは自分のここが違うからだよって、何をどうしたらいいのか、溶け込めるのか、舞台上で生きるにはここがこうだよって言ってくれるから、あーなるほどって思いますね。でも、今回は久間作品にしては、コミカルだなって本当まじでびっくりしたの。

矢口:今回も色んなキャラクターがでるしね。

椎名:ホームレスとかホステスとか、宇田川さんのキャラも面白いしね。

戸田:久間さんからみたら女性像ってこうなんだなって(笑)

椎名:でもさ、久間さんって演出してるとき熱い人じゃない。その熱意を隠したりしないから、それをみてニタニタしちゃうことがある。またさ本人も楽しいそうにやるし。うちらものってくると、どんどんやっちゃうから楽しくなるよね。早くお客さんにこのシーン見て欲しいって思う。

戸田:具体的にどこ見て欲しいの?

椎名:結構盛りだくさんだから、ここってとこは難しいだけど、ま、当然あたしがでてるとこはもちろんなんだけど、

通し稽古にて

荒木:俺はこばやん(小林)の殺陣のシーン。

椎名:殺陣なんてあったっけ。

矢口:ま、女子高生のところかな。

椎名:ストーリーのカギをにぎるからね。

太田:ママのところ!

矢口:みんな自分のところおすから!

太田:でもね、ホステスにしても、ホームレスにしても、自分の知らない世界だったけど、でも久間さんはちゃんと取材してそういう細かいところまでリアルな世界を創り上げてるから、観にくるお客さんでもホームレスと呼ばれる人に対していいイメージではない人もいると思うけど、これみたらちょっとは見る目が変わるんじゃないかなって思う。

:私も今までホームレスの日常とか知らなかったし、実際の支援団体さんの活動とかホームレスの人たちと会ってみて、本当に同じ人間なんだよね、ってみせつけられたかな。でももちろんハートフルハート(物語上の支援団体名)は見て欲しいね。

戸田:あたしは人が変わってく姿が好きなんだよね。稽古でも演出がついて、で、どんどん成長していく姿が好きで、太田さんとかね、そうじゃないんだよって久間さんに言われて、最初はできなかったけど、でもどんどん変わっていって、おお、近づいてるって目にみえて分かるからすごい楽しくてって、その最終形の成長してきたみんなをお客さんにみてもらえるって感じだよね。あ、でも、たまにはその過程もみてほしいね。

矢口:スタート地点もおもしろいかもね。え、こうだったのがこーなるのとか。

椎名:みせないほうがいいよ。

一同笑い。

 

■今回ってクリスマスの時期の公演だけど、クリスマスの思い出とかある?





















一同:えー、クリスマスか・・・クリスマス・・・(考え込む)

太田:プレゼント・・・とか?サンタクロースとか。

矢口:あぁ、サンタクロース。

:あー、私はね、サンタをずっと信じてた時期があったんですよ。

戸田:ありましたか。

:なんだけど、ある時、イブの日ですよ。家の中で包装紙にくるまれた物を発見してしまったんですよ。で、お母さんに「見ちゃダメ」って怒られたんです。
そしてその翌日クリスマスの朝、その包装紙にくるまれたプレゼントが枕元にあるわけよ。

矢口:包装紙変えろよ、みたいなね。

戸田:見ちゃったね・・・

:そう現実をね。

太田:悲しい現実をね。

:ま、でも、サンタはいると思ってる。

矢口:サンタはいるよ!!サンタは!!(急に張り切りだす矢口)だからね、ちょっとお時間頂きますよ!!
サンタクロースって言うのは、自分の大切な人が自分にとってのサンタクロースであってねだから、ずっといるんですよ。

一同:あぁー・・・

矢口:・・・何、この空気。

戸田:いやいやいや。

:じゃあ毎年何かいただいてるの?

矢口:えぇ、まぁ私の場合母なんですけど。毎年直筆メッセージをそえてプレゼントが枕元にあるんです。

戸田:うわぁ、素敵な家族。

矢口:私にとって大事なのは・・・実家暮らしだし、母が一番私を大事にしてくれているんで。

太田:いい話〜

矢口:よしっ、いい話になった!!

椎名:私思うんだけどサンタクロースって、なんか、実体じゃなくて・・・

矢口:そうそうそう!!

椎名:こうやってみんな大人になってさ、実際にはサンタのおじいさんは来ないって分かってるけどさ、子供が生まれたらサンタの格好してさ、プレゼント枕元においたりするじゃん。

:あ、私ずっと妹にそうしてた。

椎名:だから、そういう気持ちっていうかその行為自体がサンタクロースなんじゃないかな。

一同:あぁーうんうん。

太田:そうだね。

椎名:だからね、ブルテンをやって、お客さんにいっぱい楽しんでもらおうという6Cの気持ちそのものもサンタクロースなんだよ。

戸田:6Cもサンタクロースなんだね??

矢口:一週間早いからあわてんぼうのサンタクロースだけどね。

太田:あ、うまいなぁ

矢口:やったぁ!!

椎名:笑点みたいになってる。

一同、笑う。

椎名:あ!ところで荒木さんは、米国暮らしのご経験がおありですが・・・クリスマスってどういうもんなんですか?

矢口:日本と違います?

荒木:向こうは・・・日本とは違いましたねぇ。なんか、家族団らんが目的で、ひとつの家に集まって、みんなでクリスマスを祝うって。そんな感じで。

太田:プレゼントとかって、枕元におくって習慣は・・・

荒木:プレゼントはツリーの下においたりして。プレゼントの量がすごくて。

戸田:へぇ、おしゃれ。

:映画で見た感じだ。

戸田:えー、なんかみんないい感じのことしゃべってるなぁ。

矢口:とだこは?

戸田:私は・・・あれですよ。クリスマスの日に熱を出して寝込むっていう思い出が・・・。

椎名:なにかっつーと具合悪くして・・・

戸田:そうなのよ。イベントに熱出す確率が高くて。知恵熱かも。はりきりすぎちゃってさ。

矢口:興奮しちゃうんだね。

椎名:修学旅行とか欠席する子だよね。

戸田:いや、出席だけして旅先で寝込む感じだな。

椎名:今年は無事に過ごせるといいね。

:あんま張り切りすぎないように・・・ねぇ。

椎名:今年は公演後だし、疲労もあるし、危険だよね。

戸田:うん・・・もう今から期待してないよ。・・・・さみしい!!

 

■じゃあ最後に一言どうぞ。

通し稽古にて

荒木:今回いろんな登場人物たちがいて、いろんな人たちの出会いとすれ違いがあるんですけどその中でいろんな人たちが描く一枚の絵を(ここで吹出す荒木)

:なんで照れるんですか

矢口:一枚の絵??なんか聞いたことある

荒木:いやいや、一枚の絵を見ていただけたらなと、思います。

太田:パクった・・・(『露の見た夢(2005年4月)』の稽古場だよりをご覧いただければ分かります)

:ここ2年ほどクリスマスを全然クリスマスと思ってすごしていませんので、きっと同じような人っていっぱいいるんじゃないのかなって思うんですよ。そういう人にも、ちょっとだけクリスマスの奇跡を、見てもらえたらな、と思います。

太田:6C的クリスマスを是非芸劇で。お待ちしてます。

椎名:ブルーテントクリスマスという交差点で、舞台上でいろんな人たちが出会い、そして舞台と客席も出会う。6番シードと皆様との出会いも楽しみにしておりますのでぜひ遊びにきてやってください。

矢口:えー、なんだかみんなに言われつくしちゃいましたが。出会うはずもない、出会ってもすれ違うはずのホステス、ホームレス、そして女子高生が、 女子高生が、女子高生が。

戸田:3回言った

矢口:あ、これ太字でお願いします。(←しましたよ。)で、えーと。いろんな人たちが舞台上で出会って、関わって、それぞれがいろんなものをもっていろんな個性を出して、それがやっぱりおもしろいかなぁ。 それをみてほしいかなぁ。女子高生!!

お楽しみに☆

太田:最後にも押した・・・!!

矢口:えーと、楽しみにしててください。

戸田:じゃあ6Cであったかい冬を乗り切ってください。劇場で待ってます!!

ありがとうございました。次回もお楽しみに!